世界は分断された。
人と人との距離は離れ、文化と文化は断絶し、偏ったイメージだけが残った。
世の中はこんなにも便利なのに。情報はこんなにも溢れているのに。
古より、この島には「お遍路」という文化があります。
八十八ヶ所の霊場を巡るために、全国から様々な人がこの島を訪れ、誰かの幸せを願いました。
多くの航路が行き交い、多種多様な人々がこの島で出会い、つながっていたのです。
分断された今だから、多様を受け入れ、変化していく。
お遍路に根ざしたこの島のあり方から気づことがあります。
そんな小豆島で採れた実りを世界へ届ける。
私たちからの豊かさのおすそ分けです。
小豆島は、瀬戸内海で2番目に大きい島。
瀬戸内海で一番高い山「星ヶ城」があり、山と海の距離が近く花崗岩層の土地です。
気候は瀬戸内海型気候で、温暖で雨が少ないことから、
オリーブや柑橘、すももなどの生育にぴったりです。また歴史上、瀬戸内海の海運業の要所であったことや、
塩の産地であったことから醤油づくりが400年前から行われ、佃煮やそうめんなどの食品づくりも盛んです。
そのような、食の豊かな小豆島の実りを、
もっと多くの方に知っていただくために、このフードデザインプロジェクトをはじめました。
冬でも温暖で、そこら中に食べ物がある豊かな小豆島は、
雪国山形で育った私からみると楽園のような場所に思えます。
豊かな自然にはぐくまれた新鮮な農産物や海産物が、
余りあるほどに実るこの小豆島では、充分に活かされず、
自然に帰っていくことが実は多いのです。
そんな、「もったいない」と思う瞬間をこの島から無くしたいという思いから、
商品づくりがはじまりました。
グラノーラで使っているいちごは品質は問題ないのに、
形や規格により本来捨てるはずだったいちごたちをメインに使っています。
1976年山形県西川町生まれ。
東北福祉大学中退後、上京しアルバイトをしながら夢を目指す。志半ばで飲食業に転向。
しかし、飲食業の難しさに気づき、レストランに修行に入り、一から料理と経営を学ぶ。
東京・六本木「キュイジーヌ ナチュール チャオベッラ」 (現在は東大駒場キャンパスにて店名をアーペとして営業)、兵庫・西宮 「オステリア ジュリア」副料理長、兵庫・西宮 「ガストロノミア エ バール ジュリエッタ」 料理長を経て、 2011年8月香川・小豆島でオーナーシェフとしてリストランテ フリュウ オープン。